●シナリオトレーラー
「私はいつも泣いてばかりだ。
見送ったときも、報せを受けたときも、泣いて、鳴いて、哭き続けた。
それでも、あのひとの血は残っていて。
この屋敷がある。
ならばまた生きねばならない。
新たなあのひとの血を受け継ぐものを、この屋敷に連れて。
そうしていつまでも、私はここを守り続けるのだ――」
トーキョーN◎VA the Axleration
「猫又、或いは百万回死んだ猫」
かくして世界は終わる。轟音ではなく、啜り泣きとともに。――T.S.エリオット
●PL人数
3人
●アクトハンドアウト
各キャストには以下の設定が付加される。
『①コモン』:一般人。天涯孤独です。
『②バサラ』:退魔師。所属は問いませんが、寺社からの依頼を受けられるようにしてください。
『③レッガー』:テキヤ。中目黒一帯を庭場(テキヤの縄張り)とする顔役。
PC1:コモン
コネ:”歩く銀行”J・P・モルガン 推奨:ダイヤ
貴方は天涯孤独である。それ以外は特になにもない。
なんとか自立し、毎日を過ごしている、一般人だ。
そんな穏やかな日常の中に、突然銀行員が現れた。
「貴方に、負担付遺贈の権利が発生しました。こちらの家屋敷から土地一切、そして故人の遺産相続手続きをお願い致します」
にこやかに笑う彼の手元には、中目黒の広大な土地を指す住所、見覚えのない故人の名前、そして1万プラチナムほどの明細があった。
そしてひときわ目立つ、「付帯条項:飼い猫をきちんと世話すること」の文字。
一体どういうことなのか。詐欺なのか、事実なのか?
戸惑う貴方は、ひとまずは話を聞いてみることにした。
PS:相続を遂行する
PC2:バサラ
コネ:”住職”鵜飼秀徳 推奨:スペード
貴方は退魔師だ。人に仇をなすアヤカシを祓うことを生業にしている。
今回の祓いは、実相山正覚寺”住職”、鵜飼秀徳からの周旋だ。
中目黒にある大家屋――通称”猫屋敷”を調べてほしいという。
フェイトにでも回りそうな話だが、一体どういうことだろうか。
PS:猫屋敷を祓い清める
PC3:レッガー
コネ:”藤の任侠”藤咲竜二 推奨:ハート
貴方はテキヤである。庭場は中目黒、実相山正覚寺を頼りにしている。
この辺りの顔でもある貴方のもとに、稼業違いのヤクザ、それも大物が相談にやってきた。
なんでも中目黒の地価が下がってきており、不動産系のシノギが危ないらしい。原因を調べてほしいそうだ。
地価が下がると客足も、客の質も下がる。自分のバイ(商売)にも関わる話だ。
今後のためにも、できることはしておいたほうがいい。
PS:地価下落を防ぐ
●キーワード
「子離れ」「猫」「地面師」
●初心者参加について
TRPG初心者:1人までOK。専門用語が飛び交うので、必要なら逐次質問をくださると助かります。
N◎VA初心者:クイックスタートの経験ありならOK。そうでなくとも、なんとなくN◎VAの雰囲気がわかっていれば問題ありません。
●使用ルールブックおよびサプリ
SKD環境。ただ、戦闘は厳しくありません。参加者のルールブック所持状況によっては可変とします。
●レギュレーション
経験点:初期作成。もしくはクイックスタートをご利用ください。
必要防御神業:1~2。平和、天変地異には使用想定があります。不可触はPLに依存します。
達成値:敵ゲストの単独達成値は21。支援によりこれを超える可能性があります。
情報収集:社会:ストリート、社会:アストラルなど。必要な最大達成値は16。
●RLより
トーキョーN◎VAで一般人巻き込まれ枠ってあんまりなくね?
っていう思いつきから引っ張ってああだこうだ唸って捻ったら、こんな話になりました。
テクノロジーが発達し、ネットのきらめきが星を照らしても、そこではまだ人も化け物も隔たり、理解し合えても寄り添え合えるとは限らない。
そんな世界の一般人が、現代でもよくある相続問題に巻き込まれるお話です。
棚からぼた餅、一攫千金。そしてそこについてくる猫。美味しい話には裏があるものです。
クライムサスペンスに名作「百万回生きた猫」をパク……オマージュした拙作、楽しんでいただければ勿怪の幸いです。
●特殊事情
猫が死ぬ可能性があります。ご注意ください。
PvPになる可能性が、ごくごく低いとは思いますが存在します。その際は、PL間で折り合いをつけて、仲良く喧嘩してください。
ヤクザやテキヤ、不動産の話を扱います。それにちなんだ専門用語も多少出てきます。苦手な方はご遠慮ください。